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少女の光を探す旅 第1話

あらすじ: 何気ない小学生姉妹の夏休み。目に見えない光、奇跡的なことが起こる時、光が現れる、光を探し始める旅。主人公 ミレイのもつ不思議な力とは?

ー1章 始まりー

1話 夏休み

父の転勤で、2030年8月3日今日、セミの声が、あちらこちらから、聞こえてくる。

今日の天気は曇り、確かに暑いが、真夏の暑さとはいえない。

私の家族は引っ越しを終えた。

今までの都会の環境とは、似ても似つかない古民家風な2階建ての建物だ。

今日から、ここが私の家になる。

建物は古いが、隅々まで掃除されていたのだろう。何か懐かしい、夢で見たことありそうな家だった。

何と言いっても、今日私専用のお部屋ができた事だ。初めての、夢にまで憧れた1人部屋が私の心をウキウキさせていた。

兄と妹も一部屋ずつ、用意された。

私たちの部屋は2階で、合計3部屋すべて一瞬で決まった。

私は兄と妹より早めに二階に上がり、3部屋すべて見た。

急な階段だが、そんなことは気にもならなかった。

私は一番に、左側の少し大き目なフローリングの部屋を選び『ここが私の部屋できまりね』と大きめな威圧的な声で、兄と妹に伝えた。

右側の部屋は2つあり、手前と奥の部屋の作りは大体同じで、畳が敷かれていた。

妹が次に『じゃ、私は奥の部屋ね。てゆうか、ミレイの部屋がいい』と言ったが、当然聞こえない振りをした。

私の名前はミレイ、漢字で書くと、美麗だ。小学4年生の一学期の終業式に、田舎の小学校に転校する事になった。と伝え、『みんなの事は忘れません、ありがとうございました。』とクラスの教団に上がり伝えた。

寂しいという感覚よりも、田舎の生活の楽しさを考えたら、わくわくしていた。

たまに、ドラマで見かける、初めての転校。そして、都会から田舎暮らし。人で溢れていた環境にいた私にとって、転校する、田舎の小学校のクラスは全部で10人。

私を入れて11人だ。そして、4年1組のみ。信じられなかったが、私にとっては、気持ちがだいぶ、楽だった。

妹はミナ。漢字で美奈。小学2年だ。私の2個下で、結構人気者だ。性格はいたってシンプル、私の物をすぐ欲しがるタイプだ。

暇さえあれば、父親から、携帯を奪い、ユーチューブばかり見ている。打たれ強いタイプだが、すぐに泣く。

私からすれば、暇な時は一緒に遊べる友達みたいな感覚だ。可愛く思える時もある。

兄はハル。漢字は晴だ。中学2年生だ。とても私たち妹には、優しく、なんでも手伝ってくれる、良い兄だ。

ただ、怒るとまじに怖いので、悪口は言わない。ま、理想の兄かもしれない。

兄はどの部屋でもいいそうで、手前の右側の部屋に決まった。

ハルは、学校や仲間の話は、家族にはしない。中学に入ってから、髪型や、私服などが変わった。

多分、女子を意識し始めた。たまに、私に、『女って、好きな人とか絶対いるんでしょ』とか、女子の気持ちや考え方など質問してくる。

しかもハルは、携帯を最近買ってもらった。ママはハルには優しい気がする。

夜ごはんは、ハルが好きな唐揚げ、カレー、ハンバーグが出がちだ。私の好きなパスタは月にせいぜい2、3回しか出ない。

ミナは、夜ごはん前にお菓子を食べて、ママから良く怒られている。

ミナは『だって食べたいんだもん。』ってよく言っている。

ママは蕎麦屋でバイトをしていた。今は、色々な書類を書いてる。たくさんの段ボールがなくなり、かなり広々している。大人にとって、引っ越しは大変なのだろう。

ママは年の割に若い気がする。ミナはママの真似ばかりしている。私も昔はママの真似を良くしていた。

ママは私の話を良く聞いてくれて、色々な所に連れてってくれる。マックや、モスが多いが、ママとおしゃべりするのが大好きだ。

私とミナとハルは、9月1日から転入するので、1ヶ月近くは夏休みだ。

私とミナで近くを散歩しに行く事にした。荷物を整理していたので、夕方だが、まだ明るい。

ママには『早く帰って来てね。買い物、いしょに行くんだからね』って言われた。

とりあえず、歩いてみる。

田んぼや、畑、フルーツの木などたくさんある中で、車はたまに通るのだが、似たような景色。

向こうから、三人自転車に乗ってこちらに走ってくる。三人は私とミナを見ている。

三人の内の1人が『こんにちは』と挨拶してくれた。私とミナは軽く会釈をする。

たぶん私たちと同じ歳ぐらいの子達。挨拶された事に私とミナはテンションが上がった。

『何もないけど、いい所だね』

『そうね。ミナ、もう帰ろう、ママ待ってるから』

夕方になり日が出てきて、眩しい太陽の光を浴びながら帰宅した。

『どう、この辺気に入った?』

『まだ、わかんないよ。来たばっかだし。それより、スーパーって近いの?今日何?』

『お姉ちゃん、いつもご飯きくよね。さっき、挨拶されたよね。お姉ちゃんの同級生かな?』

『そうね。ママ、ナポリタンはどう?引っ越し祝いってやつ。豪華に唐揚げも。』

『お姉ちゃんに賛成、お腹減ったー。ママ行こー。』

車で20分、スーパーやご飯屋さんなど密集した場所に着いた。

以外にたくさんのお店があり、安心した。

『今日は、ミレイの大好物のナポリタンで決まりだわ。ミナ、ピーマンと玉ねぎ入れるわよ』

『省くから、大丈夫よ。お姉ちゃんこそ大丈夫なの?』

『今は食べれるわ。ミナも後少しで好きになるわ』

ナポリタンの材料と、唐揚げの材料、卵やバナナ、コーンフレーク、オレンジジュースなど、かごから溢れるぐらいの買い物を終え、帰宅した。

帰ってきて、手を洗い、ミナと一緒に夕食のお手伝いをした。マイバックから赤い箱のガーナチョコが見えた。

ミナの特殊能力、欲しい物は必ず手にいれる。ミナは多分、ママが喜ぶ事をする約束をしたはず。

私は、その特殊能力は使わず、ストレートにママに言う。ナポリタンはどう?って。

『ミナ、チョコ買ったんだ。』

『そう、お姉ちゃんにも少しわけるわ。』

『何か約束したの?』

『今日は、ユーチューブ見ないから、いいでしょう。って』

お父さんが帰ってきた。いつもの様にきっとお風呂にはいるわ。

『ただいま、先にお風呂入るね。』

『今日,ミレイの好きなナポリタンと唐揚げよ。』

『いいね。ミレイとミナもお手伝いしていて、偉いね。今日から、新たなスタートの始まり、みんなで協力しようね。』

『ママとお姉ちゃんと買い物行ったわ。以外にたくさんお店あるじゃん。パパ、今度ココス行こー。』

『あの中心地の?いいよ、みんなで行こうね。』

色んなところで、ナポリタン食べたけど、やっぱりママのナポリタンは最高。

初めての1人部屋、夏休み、ナポリタン、最高の日だわ。

ハルは、携帯ばかりいじっているが、夜ご飯の時は、集中して食べる。大盛りご飯2杯、唐揚げ、ナポリタン。

しかも食べるのが早いので、私とミナは食べ始まる前に、確保しなければいけない。

小学校は家から、歩いて30分位掛る。朝礼が8時10分なので、それまでには、登校しなければならない。

兄は自転車で、40分隣町の中学校に通う予定だ。一学年4組クラスがあるらしい。

お風呂に入り、自分の部屋に行く。持ってきたシングルベット、雑誌や本。洋服、ランドセル、お気に入りの熊のぬいぐるみ。

シールや色鉛筆など、自分なりに配置を考え置いてみた。

テーブルがまだないが、書き物は1階のリビングテーブルでやるので、気にする必要もなかった。

ミナの部屋に行って見ると、ベットに横になり好きな漫画を読んでいた。部屋は片づいていない。

『ミナ、どう?自分専用の部屋は?』

『うーん、寂しいから寝る時だけ、ミレイの部屋で一緒に寝よ。』

『わかったわ。 部屋片づければ?』

『え、ミナ、片づけたよ。まあまあキレイでしょ?』

『そうね。部屋来るとき、ノックして!』

『わかった。お姉ちゃんもね。』

その30分後、『ミナ、今日は良く眠れそうね。』返事はなく、ミナは眠っていた。私は明日何するんだろうと考えながら、眠りについた。

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